明治薬科大学

岸本良彦先生の「医療倫理」の評価一覧

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【明治薬科大学】岸本良彦先生が担当する「医療倫理」には、1件の授業評価が寄せられています。授業の充実度は星3.0点、楽単度は星4.0点です。会員登録・ログインをして、在学生による評価とシラバスの内容をもとに、授業の選択・履修登録の参考にしましょう。

MPAM16 さんの授業評価

学部 学科 薬学部
担当の先生名 岸本良彦先生
授業種別 共通(一般教養)
出席 とらない
教科書 教科書なし・不要
授業の雰囲気 -
テスト 前期/中間: テストのみ
後期/期末: 授業無し
持ち込み: 教科書ノート持ち込み不可
テストの方式や難易度 -
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授業の内容や学べたこと

19年度前期医療倫理試験問題模範解答(本試験)
Ⅰ informed consent観念の成立の経緯とその内容の明確化の経緯をアメリカにおける医事訴訟の例を挙げて述べ、informed consentの成立要件とその限界について解説せよ。 (30点)
Ⅱ 以下の事項について簡単に説明せよ。 (各10点)
  1.ヘルシンキ宣言 2.医療倫理の4原則 3.triage 4.安楽死の種類と違法性阻却の要件 5.信託関係 
6.医療におけるQOL 7.アメリカにおけるIRB成立の経緯とその意味              

Ⅰインフォームド・コンセントとは、医療者が患者の求めに応じて医療行為を行う際に、病気の性質、最善の治療内容、代替治療、利点とリスクなどの情報をわかりやすく開示、説明し、それを受けて患者が判断を下し、治療行為に対して同意を与えること、または拒否することである。インフォームド・コンセント観念の成立の経緯は、1914年のシュレンドルフ事件で初めて患者の「自己決定」が認められた。医学的にいかに治療されるかを患者自身が選択し、身体の不可侵性を守る権利を持つ。医師のこの権利の妨害は、治療技術の巧拙を問わず、たとえそれが究極的に有益であっても、許可を得ない身体的侵害を構成しうるとされた。また、1957年のサルゴ事件では、提案された治療内容に対して患者が理性的同意をする際に、その基礎として重要な事実の開示を差し控えた場合、医師は患者に対する義務に背いているとされた。そのため医師は患者に対して一定の形で情報開示を行った上で、同意を得なければいけなくなった。しかしここではまだ、開示の範囲は医師の裁量に委ねられていた。その後、ネイタイソン事件、バーキー事件、クーパー事件を通して、開示基準が専門家中心の形から、患者中心の形へと変わっていった。そして、1972年のカンタベリ事件において、開示基準の限界を決めるのは、患者の自己決定権であるとされた。また、インフォームド・コンセントの成立には自立性、情報、同意の3要素が必要である。インフォームド・コンセントの限界とは、医療には不確実性があり、時間とエネルギー上の制約もあるため、あまりにも厳格な情報開示の要求は専門職の機能遂行の妨げになることもある。そのため、医師と患者の間には包括的な相互信頼が必要である。

1.1947年に医師の倫理的義務と被験者の人権を尊重するニュルンベルク綱領が採択されたその後、1964年に人体実験の倫理的綱領としてヘルシンキ宣言が採択された。これには被験者の知る権利、自発的同意、拒否する権利が認められた。ヘルシンキ宣言の基本事項は、   (1)科学的・社会的利益より被験者の福利の優先 (2)本人の自発的な自由意思による参加 (3)インフォームド・コンセント取得の必要 (文書による) (4)倫理審査委員会による事前審査と監視の継続 (5)科学常識に従う基礎実験を経て行うこと (6)利益相反の明示
2.(1)善行仁恵原則…患者や家族の利益を最優先させる。(2)無危害原則…患者に危害を加えてはならない (3)自律尊重原則…自らの治療について選択する患者の権利を尊重する。 (4)公平正義原則…全ての人を公平に治療するため、医療資源を適正に配分する。
3.トリアージュとは、大震災など大規模災害時の医療において、多くの負傷者に対し、最も効率よく、有効な救護治療を行うため、負傷者を外傷または疾病の重症度によって分類し、治療の優先順位や患者の搬送順位を決めることをいう。
4.(1)治療中止型安楽死=尊厳死 (2)間接的安楽死=副次的に生命の短縮を伴う苦痛緩和治療
(3)積極的安楽死=苦痛から解放するために、意図的に死を招く行為
(4)自殺幇助型安楽死=医師の処方による薬などで患者が自ら死を招く行為 (5)慈悲殺型安楽死=慈悲心からの殺人
(6)強制的安楽死=障害者や老人などを優生学的見地から強制的に殺すこと
要件 ①患者が絶えがたい肉体的苦痛に苦しんでいること。②患者は死が避けられず、その死期が迫っていること。③患者の肉体的苦痛を除去・緩和するための方法を尽くし、他に代替手段がないこと。④生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること。
5.信託関係とは、対等な関係にない当事者の間で受益者に自己責任を要請することなく、受託者に受益者の利益を第一に考えるように義務付けた関係。その際、受託者には、注意義務、忠実義務、情報開示義務の3つの義務がある。
6.QOLとはQuality of Lifeの略で、生命の質を豊かにすることを表す。QOLの医学的判断基準は、身体環境がその人の人生の幅をどれだけ広げているかということにある。また、医学的目的は、その人が治療行為を受けてから、死にいたるまでの間に、いかにQOLの総和を大きくするか、ということである。
7. IRBとはInstitutional Review Boardの略で、法律に基づき、中央委員会が作成したガイドラインに沿って設置が義務付けられた機関内審査委員会のことで、人体実験を伴う医学研究を審査するための機関である。成立の経緯は、1972年のタスキギー事件の発覚を受けて、アメリカ連邦議会は1974年に国家研究規制法を制定した。これにより同年1974年にIRBが成立した。また、思想的意味は、医学という学問研究の自由に一種の規制が加えられたことである。
授業を
受けた時期
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評価
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(2009/03/17) [993386]

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